学生コラム
学生コラム
2025年12月3日
第12回
大阪公立大学 工学部 電子物理工学科
松本裕真
松本裕真
工学部電子物理工学科4回生の松本です。今回のコラムでは、私の最近の研究室生活についてお話ししたいと思います。
|
| 冬の工学部棟 |
大学院入学試験を乗り越え、9月頃から本格的に研究生活がスタートしました。私の所属する研究室では、主に半導体デバイスの作製・評価などが行われています。私の行っている研究は、簡単に言うと、条件をそれぞれ変化させたダイオードを複数作製し、それらの特性を評価・比較するといった内容です。そのため、現在はダイオードを作製する作業を中心に行っています。
研究をするにあたって、まず苦労したのは、ピンセットの扱い方でした。自分が扱っている基板は、およそ10mm×15mmのサイズのとても小さいものになります。また、非常に薄く割れやすいため、落としたりしないように細心の注意を払わねばなりません。そんな基板をピンセットを用いて扱うのはとても緊張感がありました。初めはなかなかうまく基板がつかめなかったり、ピンセットを持つ手が震えたりしてなかなか大変でした。本格的に研究が始まってしばらく経ち、ピンセットの扱いには少しは慣れたつもりではいますが、未だにすごくプレッシャーを感じています。
研究をするにあたって、もう一つ苦労したのは装置の扱い方です。単にダイオードを作製するだけでも、かなり多くの手順があり、その手順ごとにさまざまな装置や溶液を扱わねばなりません。実験方法や装置の使用法を間違えてしまうと、最悪の場合、基板をだめにしてしまったり、装置を壊してしまったりすることにもなりかねません。そのため、それぞれの手順ごとに、準備・本番・片付けの作業を一つずつ覚えて、間違えないように実行していかなければならず、それがとても難しかったです。間違えないように丁寧に作業をしようとすることを心がけていましたが、それでも何度かミスをしてしまうこともありました。ですが、その度にまわりの方々にやさしく助けていただきました。自分も早く一人前になり、自分のことをしっかりやるだけでなく、まわりの人たちもサポートできるようになりたいと思いました。
また、先日卒業研究の中間報告会がありました。その内容としては、自分の学科の他の研究室の先生方に、自分の行っている研究内容とその進捗状況についてなどを説明するというものです。私も、研究目的、実験方法、結果、今後の予定などをまとめて、なんとか発表スライドを完成させました。発表当日を迎え、なんとか無事に発表をすることができ、質疑応答の時間になりました。ある先生から、研究目的がよくわからないと言われ、なんとか答えようとしましたが、なかなかうまく説明することができませんでした。自分では理解しているつもりでしたが、研究目的をうまく順序立てて伝えることができませんでした。今後は、部分的な理解で分かったつもりにならず、一連の流れをうまく言語化して説明できる状態にしておくようにしたいと思いました。発表スライドを作成したり実際に発表したりする中で、自分の研究について分かっていなかった部分を改めて理解することができたため、今回の中間報告会は自分にとって非常にいい機会になったと感じています。
今回は、私の最近の研究室生活についてお話しました。現在、一生懸命研究を行っている最中ですが、年が明ければ本格的に研究をまとめて卒業論文を書いていくことになります。自分が4年間の大学生活で学んだり経験してきたりしたことの集大成として、良いものを完成させられるように頑張っていきたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
