卒業生便り

港南窯 KONANS陶芸展

2020年12月15日(火)
港南造形8期卒 北浦真保
 
魔王2 魔王1  捕食されるクリーチャー 考えるクトゥルフ 寄生されたツノガエル

 今人気の朝ドラの放送により、信楽焼きを始めとする焼き物が注目され始めている。しかし港南ではその数年前から、陶芸部員が膨大に増え続けている。現在の陶芸部は総勢50名程の部員が所属する人気の部活となり、ここ数年で謎に包まれている港南での陶芸ブームに卒業生達は驚きを隠せない。私が学生だった頃も、同期が5人もいれば上等なものだったと記憶している。
 昨年、陶芸部が作られてから現在に渡り強靭を奮っている松村先生の一声で、歴代の部員が再び陶芸室に招集された。この交流会の目的は、一つに同窓会であるということと、もう一つは昨年開催6月に開催された「港南陶芸30 周年記念OB展」と、10月に開催された「KONANS 陶芸展」へ向けてのミーティングも兼ねていた。高校を卒業して陶芸から離れてしまった人も続けている人も、再び集まることのできる繋がりを築いていこうという趣旨のもと、「港南窯」が結成された。「港南陶芸30周年記念OB展」では現在制作をしていない環境のない人でも参加できるようにワークショップが開かれ、60名を超える参加人数になった。
 次の「KONANS陶芸展」では、洋画の岡田篤彦先生が退職後に始められたRelic galleryの1階を会場とし、現役美大生、作家、社会人、歴代の顧問・講師を含む約20名が参加した。イラストやアクセサリー、オブジェ、器、陶フィギュアなど多様な作品が並び、2階のcafé&barでは美味しい食事やお酒を頂きながら来場者と出展者が交流できる空間が大変よかった。作品の話や学生だった頃の話、芸術・アートの話、当初は身内の中で膨れ上がった企画をきっかけに、環境や世代を超える新たな出会いが生まれる。
 港南窯はこの展覧会を始めに、まずは年に一度集まる機会を作ることを目標としている。高校、大学を卒業し、仕事をしながら徐々に広がっていく環境の中で、一つ帰る場所が出来たことを誇りに想う。