国際交流基金(檜山基金)

国際交流基金(檜山基金)

国際交流基金(檜山基金)について

 国際交流基金(檜山基金)は,東京帝国大学農学部水産学科のOBであり,教官でもあった故・檜山義夫名誉教授のご遺族からの寄付にもとづいて平成2年に創設された「留学生厚生資金(檜山基金)」の後継基金です。(旧)留学生厚生資金(檜山基金)は,水産学科および水産学専攻に所属する留学生を対象に,「国外における学会講演および各種研究上の調査に対し学費を給付し,もって国際学術交流および研究・教育の充実を図ることを目的とする」ものでしたが,平成22年に実施された「東京大学農学部水産学科創立100周年記念事業」の際に紫水会会員等の方々から募ったご寄付を基金に上積みするとともに,給付対象の範囲を日本人学生にも拡げることで,学生達の国際学術交流を幅広く奨励するための「国際交流基金(檜山基金)」として拡充されるに至りました。
 檜山先生は昭和9年(1934年)に水産学科を卒業され,その後,助手,助教授,水産学第四講座の教授,水産学第一講座の教授などを歴任されました。檜山先生の研究業績は,魚類の分類,漁具に対する魚類の行動・生理,水産資源に関する研究など,多岐に亘ります。なかでも,米国による1954年のビキニ環礁での水素爆弾実験の被害を日本のまぐろ漁船「第五福竜丸」が受けたことを契機として,水産物の放射能汚染の研究をいち早く精力的に手掛けられ中心的役割を担われたことは,特筆に値します。
 また,檜山先生は,アジア諸国から数多くの留学生を受け入れて指導され,博士の学位を授与されました。彼らはその後,それぞれの国に帰り,水産研究の主導的立場を担って活躍するに至り,各国の水産業の発展に大いに貢献しました。留学生厚生資金(檜山基金)は,そのような先生のご遺志を継ぐものとして運用され,その後継の国際交流基金とともに,これまでに多くの国際学術交流を支援してきました。
 

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