活動案内・報告

同窓便り

魚病学研究室同窓会の開催報告

令和5年9月3日、東京大学農学部一条ホールにて魚病学研究室の同窓会を開催しました。
若林先生、小川先生、良永先生にもご参加いただき、研究室の昔の話や近況などで夜遅くまで盛り上がりました。
(魚病学研究室 准教授 伊藤直樹)

雨宮賞について

 雨宮賞は,東京帝国大学農科大学水産学科のOBであり,教官でもあった故・雨宮育作名誉教授からのご寄付に基づいて,優秀な学生を表彰するために昭和60年に創設された賞です。毎年,学部を卒業する学生の中から,成績の特に優秀な者とクラスをまとめるのに特に貢献の著しかった者に贈られます。
 雨宮先生は大正3年(1915年)に水産学科を卒業されました(水産学科2期生)。その後,水産学第一講座の教授を務められたほか,第四講座の教授(分担)や水産実験所の所長も務められました。学外でも,東北大の教授として農学研究所の所長や,名古屋大の教授として農学部長,そして江ノ島水族館の館長なども務められました。
 その間,牡蠣が元来は雌雄同体で,産卵期に入る前の栄養状態で性が決まることを明らかされたり,日本産マイワシの系群の研究を実施されるなど,今日の水産学の基礎となる数多くの業績を残されました。ちなみに,河口湖・山中湖にいるワカサギは,雨宮先生が移殖されたものです。
 そして,昭和59年(1984年)2月に亡くなられる際に,優秀な学生を表彰するためにと,水産学科に寄付をされ,それによって雨宮賞が創設されました。なお,受賞者には副賞として,書籍「雨宮先生を偲びて」を収録したCD-Rと金一封が贈られます。
 

国際交流基金(檜山基金)について

 国際交流基金(檜山基金)は,東京帝国大学農学部水産学科のOBであり,教官でもあった故・檜山義夫名誉教授のご遺族からの寄付にもとづいて平成2年に創設された「留学生厚生資金(檜山基金)」の後継基金です。(旧)留学生厚生資金(檜山基金)は,水産学科および水産学専攻に所属する留学生を対象に,「国外における学会講演および各種研究上の調査に対し学費を給付し,もって国際学術交流および研究・教育の充実を図ることを目的とする」ものでしたが,平成22年に実施された「東京大学農学部水産学科創立100周年記念事業」の際に紫水会会員等の方々から募ったご寄付を基金に上積みするとともに,給付対象の範囲を日本人学生にも拡げることで,学生達の国際学術交流を幅広く奨励するための「国際交流基金(檜山基金)」として拡充されるに至りました。
 檜山先生は昭和9年(1934年)に水産学科を卒業され,その後,助手,助教授,水産学第四講座の教授,水産学第一講座の教授などを歴任されました。檜山先生の研究業績は,魚類の分類,漁具に対する魚類の行動・生理,水産資源に関する研究など,多岐に亘ります。なかでも,米国による1954年のビキニ環礁での水素爆弾実験の被害を日本のまぐろ漁船「第五福竜丸」が受けたことを契機として,水産物の放射能汚染の研究をいち早く精力的に手掛けられ中心的役割を担われたことは,特筆に値します。
 また,檜山先生は,アジア諸国から数多くの留学生を受け入れて指導され,博士の学位を授与されました。彼らはその後,それぞれの国に帰り,水産研究の主導的立場を担って活躍するに至り,各国の水産業の発展に大いに貢献しました。留学生厚生資金(檜山基金)は,そのような先生のご遺志を継ぐものとして運用され,その後継の国際交流基金とともに,これまでに多くの国際学術交流を支援してきました。
 

学生厚生資金について

 学生厚生資金は,経済的余裕の少ない学生の,実習や調査研究活動への参加,学費の納入などに必要な経済的負担を支援するため,不足する経費の一部を紫水会から一時的に貸与する資金です。
 貸与を希望する学生は,指導教員または専攻長,学部委員に詳細をお尋ねください。
 

雨宮賞授賞規程

昭和60.2.28 制  定
平成10.3.27 一部改正

雨宮賞の授賞はこの規程の定めるところによる。
  1. 雨宮賞は水圏生物科学関連専修の学生の中から,1)成績の特に優秀な者,2)クラスをまとめるのに特に功績の著しかった者に授与する。
  2. 授賞件数は上記1),2)についてそれぞれ原則として年1件以内とする。
  3. 受賞者の選考は専攻長,紫水会学内幹事の内から計3名で構成する選考委員会で行う。
    専攻長は審議の結果を専攻教授会に報告し,専攻教授会の議を経て受賞者を決定する。
  4. 賞の授与は卒業式当日に行う。
  5. 賞は賞状および副賞とする。副賞は雨宮牌および賞金とする。賞金は金3万円とする。
  6. 賞に要する費用は雨宮賞基金および寄付金をもってあてる。
付則 本規程は平成10年3月27日より実施する。
 

国際交流基金(檜山基金)給付規程

平成23.6.24 制 定
平成26.6.20 一部改正
平成30.6.22 一部改正
 
  1. 国際交流基金(檜山基金)は、水圏生物科学専攻および水圏生物科学専修に所属する学生の、国外における学会発表および各種研究上の調査に対し奨励金を給付し、もって国際学術交流を奨励する目的に用いられる。
  2. 応募資格は、水圏生物科学専攻に在籍する大学院生および水圏生物科学専修に在籍する学生とする。
  3. 給付する奨励金の使途は問わない。他の渡航費援助との重複の有無も問わない。
  4. 採用件数は毎年、上半期10件程度、下半期10件程度の計20件程度とする。
  5. 奨励金の給付を希望する者は所定の申請書に必要事項を記入し、紫水会学内幹事教員(正)に提出する。上半期の申請期限は毎年2月末日とし、翌年度の4月1日から9月末日の半年間に行われる学会発表および研究・調査を対象とする。下半期の申請期限は毎年8月末日とし、同年度の10月1日から3月末日の半年間に行われる学会発表および研究・調査を対象とする。
  6. 給付対象者の選考および給付額の決定は紫水会学内幹事会で行う。専攻長(紫水会副会長)は審議の結果を専攻会議に報告する。
  7. 奨励金の給付を受けた者は、給付後すみやかに紫水会同窓便りの原稿を提出するものとする。その他、紫水会総会で渡航の概要を報告してもらう場合もある。
  8. 奨励金の給付内容、選考過程に関しては学内幹事会で定める内規に従う。
附則 本規程は平成30年6月22日より実施する。

国際交流基金(檜山基金)給付申請書

下記のリンクよりダウンロードしてください。
様式はこちら→(word)(pdf