支部活動

関西支部

令和4年度共晶会関西支部活動報告
2019年3月(2018年度)の共晶会関西支部総会および懇親会開催以降、新型コロナウイルスの蔓延に伴い、長らく開催が出来ていませんでしたが、今回2023年3月11日に関西支部としては初のオンライン形式で総会・懇親会を開催させて頂きました。
 
 今回は市野良一教授にご参加頂き、大学の研究組織の目まぐるしい変遷などについて触れられた後、「持続可能な社会の実現に向けて 省エネルギー物質循環技術・長寿命化技術の開発」と題して、ご講演頂きました。原料から製品を作る"製造プロセス"と、使用済みの製品を原料として使用する"リサイクルプロセス"の循環に関連して、電解を利用したプロセス開発や、有害物質の効率的な除去法について最新の研究結果を交えてご講演頂きました。講演を聞かれたOBの方々との質疑応答も大いに盛り上がり、改めてものづくりに関わる技術者としての熱意、着眼点、探求心の高さを感じられ、刺激を受ける素晴らしいひとときを過ごす事ができました。
 
 市野先生のご講演の後は参加者13名による近況報告と、欠席者から頂いたメッセージの紹介を行うとともに、2グループに分けての歓談を行いました。各々の方から、元気で充実した生活を送られている状況や、非常に参考となる人生の訓示などを頂きました。中には資料を画面に写しながら近況報告をされる方がおられ、オンラインならではの面も随時発揮でき大いに盛り上がりました。
会は全体で3時間程度でしたが、楽しい時間はあっという間に過ぎ、最後は画面上で集合写真撮影を行い、終始和やかな雰囲気で会はお開きとなりました。
 
 最近(2023年4月時点)は、新型コロナウイルスの感染拡大も小康状態となっており、ゴールデンウィーク明けからは世間的にも5類への移行が進むなど、少しずつ閉塞感が有った状況から抜け出せそうな方向に向かっています。2023年度については、2024年3月第2週目土曜日の開催(開催方法は未定)に向けて準備を行って参ります。今回の参加人数は久々の開催のため例年の6割弱でありましたが、次回は是非とも例年を上回る盛大な会としたく周りの方にもお声掛け頂ければと考えております。また、若い世代の参加が少なく年々参加者の平均年齢が上がっているのが現状です。若い世代が気安く参加でき、且つ参加する価値が大いにあるような会にすべく事務局として改善を図ってまいりますが、今後、本会を発展させていくにあたり、皆様のご意見やご要望など遠慮なく頂けますと幸甚です。
最後に、今回参加頂いた皆様および開催にご協力頂いた共晶会本部の方々に厚く御礼申し上げます。
(共晶会関西支部 支部長 植木俊行(1998年 佐野研 修士卒) )


 

関東支部
 

令和4年度共晶会関東支部活動報告
 令和4年度共晶会関東支部総会は、新型コロナウィルス禍を考慮して11月に原則オンラインでの開催としました。但し、今年度は来年度以降の本格的なハイブリッド(リアルとオンラインの併用)開催に向けての予行演習として、幹事有志は学士会館小会議室から参加しました。
恒例の名古屋大学からの講師招聘は、伊藤孝至准教授に学士会館で参加していただきました。伊藤先生には「廃熱を利用した熱電発電と熱電材料およびモジュールの研究開発について」と題して、名大・マテリアル工学科(旧金属・鉄鋼工学科)の現状を含めて約1時間の講演をしていただきました。この講演は近年のニーズに沿った内容で、当日は期待に違わぬ有意義な講演でした。総会には伊藤先生を含む15名が参加し、WEBも介して先生の講演と各自の近況報告で楽しいひとときを過ごしました。
 
 伊藤先生は1983年(S58)に学部(坂尾研究室)を卒業され、1985年に大学院博士課程前期課程を修了して、名大助手になられました。その後は、2002年4月に名古屋大学高効率エネルギー変換研究センター助教授、2012年4月に名古屋大学大学院工学研究科准教授に着任されて、ほぼ名大一筋にご活躍されてきました。
 講演では、前半は名大・マテリアル工学科(旧金属・鉄鋼工学科)の現状を、後半は伊藤先生の多岐に亘る知見を基に、熱電発電と熱電材料およびモジュールについて、興味深い講演をしていただきました。ここでは紙面の都合上その全貌はとても記述できませんが、その一端をご紹介いたします。
 講演の前半では、まず「大学および関連学部・大学院の変遷」として、1939年の名古屋帝国大学の創設から始まる学科の変遷を節目毎に整理していただきました。それに続いて、「現在の学部および大学院について」では詳細な学科の現状を紹介していただきました。その中には鉄鋼精錬の講座が見当たらないことはおろか、自分が学生だったときやリクルート活動で名大を訪問していたときに面識があった先生方の内残っているのは伊藤先生を除いて皆無なことには、長い時間の流れを感じざるを得ませんでした。前半の最後は卒業生の進路が紹介されましたが、今や学部卒業生の98%が大学院進学であることはちょっと驚きであり、一方で前期課程(修士課程)から後期課程(博士課程)への進学率が10%余りしかないこと(更には博士の就職が不安定なこと)は、大学の(ひいては日本の)研究力アップに危惧を抱かざるを得ません。
 講演の後半では、熱電変換現象とその応用としてペルチェ効果やゼーベック効果の基本的な説明から始まり、それを応用した熱電対の原理や熱電発電などの身近な話題が続きました。その後、話題は第六次エネルギー基本計画(経産省2021年10月)に及び、日本の廃熱の現状や更には熱電発電システム開発の歴史が紹介されました。そこから先は、伊藤先生の真骨頂である熱電発電システムに使用される熱電材料の講演が続きました。ここにその内容を再現するのは浅学の身には難しいですが、今後の廃熱回収や日本のエネルギー問題に示唆を与える内容であったと思います。
講演の後も、参加者からの質疑応答があり、有意義な時間になったと思います。
 
伊藤先生の講演の後は歓談に移り、参加者の近況報告となりました。一昨年度・昨年度とはまた異なるハイブリッド開催でしたのでWEB上での近況報告も例年とは少し勝手は違いましたが、事務局の黒岩さんによるZoomの設定のおかげで滞りなく進行することができました。参加者の中には会社をリタイアして第2の人生に踏み出されている方も多く、毎年いろいろな話を聞くことができて、そろそろリタイアにリーチが掛かっている者として参考になることも多々あります。
 
一方で、関東支部総会は、このところ現役世代の方々の参加が少ないのが実情です。この小文を目にされた関東地区(に限らずどなたでも歓迎です)在住の方は、関東支部総会への参加を是非ご検討ください。現役世代の方々の情報交換や旧交を温める場として活用していただければ幸いです。なお、例年の総会開催案内が届いていない方は、下記事務局までご連絡ください。
 次回(来年度)の総会は2023年10月28日(土)で、場所は学士会館を予定しています。例年日曜日でしたが、参加し易さ等を考慮して次回は土曜日にしています。また、寒くなる前に開催しようということで、例年より1ヵ月近く前倒ししました。コロナの状況次第ですが、できれば本格的にハイブリッド開催を目指していますので、都合の付く方は会場にご参集ください。同窓会はやはり対面に代えがたいものはありますが、遠距離の方やリアルでの出席時間の都合の付かない方もオンラインでの参加を是非ご検討ください。
また、こうすれば参加できる(時間帯・場所・会費等何でも)というようなご意見がありましたら、同様に下記事務局にお寄せください。次回すぐに反映させるのは難しいかもしれませんが、できるだけの対応を幹事会で検討していきたいと思います。
最後に、参加者の方々、また開催に協力いただいた共晶会本部の方々に、この場を借りてお礼を申し上げます。
 
(共晶会関東支部長 井上 茂(S56/58M 坂尾研))
 
<事務局連絡先>
黒岩和典(S52 戸澤研)kuroiwa779618(@)※gmail.com
((@)※を半角@にして送信して下さい)
  

 

関東支部長挨拶

楽しく参加できて有益な関東支部作り

 共晶会関東支部長  井上 茂

  2019年11月に、柴山卓眞氏の後を継いで共晶会関東支部長に就任しました。共晶会関東支部には立派な先輩・後輩が多々いらっしゃる中で何故私がという思いもありましたが、毎年のように幹事会や関東支部総会に参加していたので白羽の矢が立ったものと思います。支部長を引き受けた以上は、微力ではありますが共晶会関東支部のために力を尽くしていきたいと思います。
 共晶会会員は、圧倒的に中部地方に集まっています。そんな中で、柴山前支部長も以前のこの欄に記されている通り、関東支部の会員は静岡県東部から関東・東北地方はおろか北海道と広範囲にまたがっており、東京を含んでいるためか広範囲な産業に拡がっています。それにも拘らず、総会の出席者はなぜか比較的年齢の高い方に集中しています。
 共晶会関東支部のメインの活動は、原則として毎年11月の第二日曜日に行われる支部総会です。総会の冒頭では、名古屋大学から現役の講師の先生をお招きして講演をお願いしています。講演の前半は大学の近況を話していただき、後半は各先生の研究集大成を講義していただいています。参加者は学生時代を思い出して、興味深くかつ楽しそうに講演を聴講しています。
最近3年間の講師の先生および講演テーマを、以下に示します。
· H29(2017)年度 第32回 小山敏幸先生「未来の材料デザインの革新を目指して」
· H30(2018)年度 第33回 足立吉隆先生「統合後のマテリアル工学科の現状と、情報工学と材料工学の融合研究」
· R1(2019)年度 第34回 興戸正純先生「40年間の名大勤務を振り返って」
 講演の後は昼食を取りつつ参加者が歓談し、一段落すると各自の近況報告が始まります。現状では(上記のように)若い現役世代がなかなか参加していないので、どうしても話題が偏りがちになります。それはそれで共通の話題であり聞いていて楽しいのですが、折角多岐に亘っている共晶会会員の皆様がどのように社会の中で活躍しているかもっと知りたいという欲求もあります。共晶会に限らず同窓会組織は、我々の貴重な人的ネットワークの一つと思っています。たまに同窓生(共晶会会員)に会うと個人的にまたは同期の間などでは連絡を取り合っていたりすることを聞くのですが、もっと共晶会組織を活用して欲しいなと思います。
 今後、若い現役世代の方々も参加するような共晶会関東支部総会になるように、支部長として力を尽くしていきたいと思います。一つの施策として、今年(2020年)の総会の講師は稗田准教授をお招きすることになっています。稗田先生は関東支部総会始まって以来初の平成卒(H16)且つ女性講師であり、若い現役世代の参加者が増えることを期待しています。その他にも、若い現役世代の方々が参加し易いようにするにはどうすれば良いか(逆に言えば何が阻害要因になっているのか)を、皆様からヒアリングして検討・対応していきたいと考えています。皆様のお力添え、よろしくお願いします。
 
 今年(2020年)はコロナ禍が東京を中心に全国を覆い、既に名古屋での共晶会総会は中止になりました。現段階(2020年7月)では何とも予想し難いのですが、11月の関東支部総会の開催も微妙なところです。そのような中でも、関東支部の皆様とは連携を保っていきたいと思います。幹事の皆様始め支部会員の方々の知恵をお借りすることができれば幸いです。
以上
【プロフィール】
1981年3月:名古屋大学工学部金属学科および鉄鋼工学科卒業
1983年3月:名古屋大学大学院工学研究科博士前期課程(修士)修了
1983年4月:日本鋼管(株)(NKK)技術研究所福山研究所入社
1996年4月:同社知的財産部に異動
2003年4月:NKKと川崎製鉄がJFEスチールに統合
2019年11月:共晶会関東支部長就任  
2020年4月:東京都中小企業振興公社知的財産総合センターに転職(現在に至る)
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