学校近況報告

岩倉高校での教育実習生を終えて ~寺口 慶翼さん~

大学学部 東京薬科大学生命科学部
実習教科 理科

①教育実習生 寺口 慶翼 先生より
 三週間にわたる教育実習では,多くの先生方や生徒の皆さんに支えられ,教員という仕事の奥深さを実感する貴重な経験ができました。ご指導くださった先生方,温かく受け入れ,接してくださった生徒の皆さん,そしてともに実習に臨んだ教育実習生の皆さんに心より感謝申し上げます。
 教育実習を通してまず印象的だったのは,私が在学していた頃と授業のあり方が大きく変化していたことです。在学中は,先生方が工夫して作成されたプリントなどを通して,知識を体系的に学ぶ授業が中心でした。一方,現在はグループワークを積極的に取り入れ,生徒同士が意見を交わしながら学びを深める「主体的・対話的で深い学び」が実践されていました。同じ校舎でありながら教育の姿が時代とともに変化していることを実感し,教える側には知識だけでなく,生徒の学びを支えるカリキュラム改革・改善がより一層求められていることを感じました。
 担当した生物基礎の授業では,教えることの難しさを改めて痛感しました。現代の高校の生物では,細胞内で起こる現象など微視的な内容を扱うことが多く,生徒には目に見えない世界を理解してもらう必要があります。そのため,用語や定義を説明するだけではなく,生徒が具体的なイメージをもてるよう工夫することが重要だと感じました。教科指導教諭の一柳先生をはじめ多くの先生方からのご助言をいただき,DNAのらせん構造模型や分子模型を用いながら授業を行いました。教材を工夫することで,生徒が目に見えない現象を楽しく段階的に理解していく様子を見ることができ,教材研究の重要性を実感しました。
 自身の教育技術の未熟さを痛感する一方で,理科の魅力を伝えること,教職の楽しさも強く感じました。バナナを用いたDNAの抽出実験を扱った際には,析出した白い物質を見た生徒から「すごい!」という声が上がりました。自分の手で行なった実験操作の結果が目の前に現れる瞬間は,生徒にとっても印象深いものだったと思います。実験の楽しさだけでなく「なぜこのような結果になったのか」を考察する面白さも感じてもらえたなら,実習生としてこれ以上嬉しいことはありません。
 さらに,授業以外で印象に残ったのがSHR(ショートホームルーム)です。在学中は「早く帰りたい」と思いながら何気なく過ごしていた時間でしたが,教員の立場になると,わずか10分でも学級の雰囲気づくりや生徒の成長を支える重要な教育活動であることを実感しました。授業後で疲れている生徒に対して,必要な連絡事項を伝えながら教育的価値のある話題も届けることは想像以上に難しく,連絡だけで終わってしまう日も少なくありませんでした。それでも最後の週には「蓬生麻中、不扶而直(蓬、麻中に生ずれば、扶けずして直し)」という言葉を紹介し,仲間とともに互いを高め合いながら成長してほしいという思いを生徒に伝えました。
 今回の教育実習を通して,生徒の成長を支える教職の大きなやりがいを実感しました。母校で学んだ経験,教える立場から得た学びを,今後の大学・大学院での学修や教員としての成長につなげていきたいと思います。
 最後になりますが,ご指導くださった一柳先生,鈴木先生をはじめ,教育実習を温かく受け入れてくださった岩倉高等学校の皆様に,改めて心より御礼申し上げます。
 
②担当教諭 鈴木 将司 先生
教育実習、本当にお疲れさまでした。寺口先生は常に自分自身の行動を客観視しており、どのようにすれば生徒に伝わりやすいかを探究していく姿が印象的でした。学生のときとは全く異なる環境に戸惑いながらも、時には勇気を振り絞って試練を乗り越えようとする姿勢は、今後どの現場でも大きな強みになるはずです。生徒の考えや動きをある程度予測し、細かい点まで配慮をしようと努力しているところも素敵でした。この経験を自信に変え、新たな一歩を踏み出してください。心からの感謝とエールを贈ります。

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